虫歯(うしょく)
◎歯の痛み方と、虫歯の進行度合い
自覚症状は感じない
エナメル質内だけの初期の虫歯は全く自覚症状がありません。この段階で早期に治療を受けるのが理想です。
甘いものがしみる
初期の虫歯は、浸透圧の関係でまず甘いものがしみるということがあります。
冷たいものがしみる
虫歯が象牙質に達している状態です。象牙質に虫歯が達して初めて自覚症状が現れます。
熱いものがしみる
歯髄(神経)のところまで虫歯が達して、急性の炎症が起きていると熱いものがしみます。かなり虫歯が進行している状態です。
何もしないでも痛みがある
非常に具合が悪い状態です。この状態になると治療の際に麻酔が効きにくくなります。
長い間続いていた痛みが治まったので、そのまま放置している。
痛みを感じる神経自体が虫歯により壊死している状態です。この段階を放置するとやがて根に膿みがたまります。その後、激痛を生じ易くなります。
進行度合いに応じた治療法
歯の表面が脱灰(だっかい)し、溶け始めた状態です。痛みはありません。健康な歯の表面は透明感がありますが、脱灰が起こると、その部位が白っぽくなるのが特徴的です。以前は虫歯ということで削る治療を行っていました。しかし今は、適切な歯みがきや、フッ素塗布などにより進行が防げるので、治療として歯を削る必要はありません。
初期の虫歯で、痛みはありません。治療は、虫歯を取り除き、修復材を詰めるという簡単な治療で済みます。歯科検診を定期的に受けるなどして、ごく初期の段階で虫歯を見つけることが大切です。虫歯がエナメル質内の段階であるなら、麻酔を使わない治療で済みます。虫歯を削った部位は、レジンをつめます。レジンは光に反応してすぐに固まりますので、型取りをする必要はありません。歯と同じ色にできるので全く目立ちませんが、年月とともに多少変色してきます。
この段階で虫歯が発見できると、
(1)麻酔を使わなくて済む。(2)一回の治療で済む。(3)治療費用が高額にならない。
虫歯が象牙質まで達すると進行も早く、神経に近づくにつれ、冷たいものがしみ、痛みを感じます。治療は、まず虫歯部分を取り除きます。症状によっては局所麻酔を使用して治療を行います。削る部分が大きい場合は、インレーという部分的な詰め物をセットします。インレーを作成するには、型をとる必要がありますので、治療には多少時間がかかります。虫歯でも削る部分が広範囲であったり、一つの歯に複数の虫歯ができている場合には、クラウンでの治療になることがあります。虫歯が広範囲でクラウンを使用する場合は、インレーで済む場合よりも治療期間が長くなります。
虫歯が神経まで達すると、熱いものがしみたり、何もしないのに激しい痛みを伴います。 虫歯だけでなく体の痛みは、もうこれ以上放置すると危ないという体のシグナルです。虫歯で痛みを感じる段階も危険度が高い状態で、かなり症状が進んでいる場合がほとんどです。進行した段階では、神経と炎症の起きている部位を取り除く根管治療が必要になる場合があります。根管治療には、針の形をした専用の器具を用いて治療を行っていきます。
「04」と同様に冠をかぶせるか、やむを得ない場合は抜歯を行います。抜歯を行った場合は、ブリッジや部分入れ歯、またインプラントを行う必要があります。激しい痛みがしばらく続いた後も虫歯を放置すると、やがて痛みがなくなる段階がきます。ここまで虫歯が進行すると、痛みを感じる神経そのもの壊死してしまうので、痛みを感じなくなるのです。この状態をさらに放置すると、根に膿みを持つようになり、こうなると強烈な痛みを感じるようになります。この段階まで虫歯が進行してしますと、治療の際に麻酔も効きにくくなり、保存治療(歯を残す治療)も困難になる場合があります。
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